【施行1年データ公開】改正建築基準法・省エネ法、審査長期化のリアルな原因とは?

「確認申請を出したのに、なかなか済証が降りてこない。」

そんな経験をこの1年で一度でもされたなら、それはあなただけではありません。

改正建築基準法・建築物省エネ法の施行から約1年。
先日、国土交通省が指定確認検査機関82機関・登録省エネ適判機関81機関・申請事業者461社を対象とした、

「施行後調査」の速報値を公開しました。

明らかになったのは、「制度は動き出したが、特に中小事業者の現場はまだ止まっている」という実態です。



■ 小規模事業者の審査機関は平均「68日」

申請者側の調査によると、2階建て木造戸建住宅の建築確認にかかった審査期間(書類提出から確認済証交付まで)は、
年間申請件数が3〜5件程度の事業者で平均約68日でした。
年間100件以上の大手事業者(約33日)と比べると、倍以上の日数を要している計算になります。

68日という数字を、工程表に当てはめてみてください。着工予定がずれ、職人の段取りが狂い、お客様への説明が必要になる——。

「審査が長引いた」という一点から、現場全体が混乱する様子が想像できます。


■ 審査機関が明かした「長引く原因」

では、なぜここまで審査が長引くのでしょうか。

審査期間が30日を超えた機関(42機関)に要因を聞いたところ、最も多かった回答が「不備の多い申請への指摘に時間を要した」(非常に影響した:64%)、次いで「申請者が指摘の修正に時間を要した」(同:45%)でした。

つまり審査が遅いのではなく、申請書類に不備修正のやり取りが多いから遅いというのが実態です。

さらに省エネ適判(省エネ性能の適合性判定)に絞ると、もう一つ重要な要因が浮かび上がります。

「申請者が習熟していなかった(改正法の内容や省エネについて理解しておらず、その対応に時間を要した)」

この一文に対し、32%の機関が「非常に影響した」、49%の機関が「影響した」と答えました。省エネ適判で審査が長期化した機関の8割以上が、
申請者側の習熟不足を要因として挙げていることになります。


■「知っている」と「できる」の間にある溝

習熟不足の原因は、「勉強不足」という単純な話ではありません。

改正法の概要を把握し、講習会にも参加した。
それでも実際の申請では、「この図書はどこまで記載すれば審査が通るか」といった個別具体的な判断で詰まってしまう——。

「制度を知っていること」と「実務で迷わず動けること」の間には、思いのほか大きな溝があります。
データが示しているのは、まさにその溝の深さです。

この溝の背景には、社内でのノウハウ共有不足が関係していると考えています。

申請業務が社内の特定の担当者一人に集中しているケースでは、その方が退職・異動した途端にノウハウが失われ、
次の申請からゼロに戻ってしまうリスクがあります。

個人の知識を高めることも大切ですが、それ以上に「判断基準を社内の共有財産にする仕組み」を持てるかどうかが、
今後の対応力の差につながっていくと見ています。

■ 手戻りを、構造的になくすために

では、どうすればいいか。

対策として最も現実的なのは、「迷いが生じやすいポイント」をあらかじめ把握し、社内で共通認識を持っておくことです。
申請担当者が毎回ゼロから判断を迫られる状況をなくすだけで、不備の発生率と修正の往復回数は大きく下がります。

申請対応の属人化を防ぎ、チーム全員が同じ基準で動けるよう、
現場担当者が押さえておきたい法改正の基礎知識をQ&A形式でまとめました。

▼ 無料ダウンロード資料のご案内

【Q&Aですっきりわかる!改正建築基準法】

こんな場面でお役立てください。
改めて基礎知識を確認する際の資料として
担当者が複数いる事業所での社内共有マニュアルとして
新人の教育資料として

法改正対応で生じがちな「疑問」を、この1冊で事前に潰しておきましょう。