
地震による二次災害の具体例と対策8選|南海トラフ地震への備えも
みなさん、地震の二次災害への対策は十分ですか?
実は、地震そのものよりも怖いのが、「二次災害」です。火災・津波・ライフラインの停止など、地震による二次災害のリスクは、命や日常生活に大きな影響を及ぼします。
特に、近年注目されている南海トラフ地震では、一次災害・二次災害による大きな被害が予測されています。そのため、企業・自治体・個人すべてにおいて、防災対策が急務です。
そこで本記事では、以下4点をわかりやすく解説します。
- 地震による「一次災害」と「二次災害」の違い
- 実際に起こりうる二次災害の種類と被害例
- 過去に発生した大地震の二次災害被害
- 今日からできる具体的な対策方法
この記事を読めば、大規模地震への準備や行動が明確になります。
自分と家族、そして大切な人たちを守るために、ぜひ最後までご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.地震による一次災害・二次災害とは?
- 2.地震による二次災害と対策8選
- 2.1.地震による二次災害①:古い建物の倒壊・落下物の発生
- 2.2.地震による二次災害②:地震火災
- 2.3.地震による二次災害③:津波
- 2.4.地震による二次災害④:危険物の爆発・漏洩
- 2.5.地震による二次災害⑤:電気・ガス・水道の停止
- 2.6.地震による二次災害⑥:インターネット・電話の寸断
- 2.7.地震による二次災害⑦:車・鉄道・飛行機など交通網の寸断
- 2.8.地震による二次災害⑧:エコノミークラス症候群・感染症等
- 3.過去の地震で発生した二次災害の被害例
- 4.南海トラフ地震の二次災害予測
- 5.地震による二次災害への対策5つ
- 5.1.①:家具の固定方法を工夫する
- 5.2.②:食料・飲料の備蓄をす
- 5.3.③:非常用持ち出し袋(防災バッグ)を準備する
- 5.4.④:家族同士の安否確認手段を決めておく
- 5.5.⑤:避難場所・避難経路を確認する
- 6.地震による二次災害は「備え」で命を守れる
地震による一次災害・二次災害とは?
地震被害は、「一次災害」と「二次災害」の2種類に分かれます。
一次災害とは、地震が直接的な原因となる被害のことです。例えば、住宅・ビルなどの建物倒壊や、地滑り・液状化現象などが挙げられます。
続いて二次災害とは、一次災害の地震に続いて発生する、間接的な被害のことです。火災やライフラインの寸断、津波などが挙げられます。
二次災害は一次災害が発生した後に、いつ起こるかわかりません。なので、地震発生後も油断せず、二次災害を想定して身を守ることが大切です。
地震による二次災害と対策8選
地震の恐ろしさは、揺れそのものだけではありません。揺れが引き金となって起こる「二次災害」が、命や生活に深刻な影響を及ぼすケースも多くあります。
たとえば火災や津波、ライフラインの停止は、備えがなければ致命的な被害につながるリスクも。
しかし、事前に代表的な事例とその対策を知っておけば、いざというときにも落ち着いて行動できます。
ここでは、地震によって引き起こされる代表的な二次災害と、その対策を8つ紹介しましょう。
【地震による二次災害と対策8選】
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地震による二次災害①:古い建物の倒壊・落下物の発生
地震発生時、もっとも恐ろしい二次災害のひとつが、老朽化した建物の倒壊や、外壁・看板などの落下物による被害です。
とくに、耐震基準を満たしていない古い建物は、強い揺れに耐えられず倒壊する恐れがあります。
内閣府の想定によると、首都直下地震が発生した場合は、約17万5千棟の家屋が全壊すると想定されています。さらに、建物倒壊により、最大約1万1千人の死者が発生すると予測されています。
【対策方法】
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地震による二次災害②:地震火災
地震発生後には、「地震火災」のリスクが高まります。
原因は、地震による建物の倒壊や、家具の転倒。これらが引き金となり、ガス管や電気配線の損傷、暖房器具への可燃物の接触によって、火災が発生します。
阪神・淡路大震災では、死者6,434人のうち、約12.8%が焼死によるものでした。
首都直下地震では、最大で約41万2千棟の焼失と、約1万6千人の死者が想定されています。
【事前の対策】
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都市部ほど火災が広がりやすいため、事前の備えと初動の冷静な対応が、命を守る鍵になります。
地震による二次災害③:津波
沿岸部に押し寄せた津波は、人命に甚大な被害を与えます。
東日本大震災では、死者の9割にあたる1万5千人以上が、津波によって命を落としました。
それほどまでに、津波は一瞬で日常を奪う脅威となります。
【事前の対策】
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「津波注意報」「津波警報」が出た際には、“念のため”ではなく“必ず”避難する姿勢が、命を守ります。
地震による二次災害④:危険物の爆発・漏洩
地震によって、屋外タンクやガソリンスタンド、化学プラントなどの危険物施設が損傷し、爆発や漏洩を引き起こす可能性があります。
特に都市部では、住宅地と近接しているケースも多く、非常に危険です。
実際、東日本大震災では16都道県において、3,341の危険物施設が被災しました。
一部の施設では、火災や有害物質の流出といった、深刻な事態も確認されています。
【事前の対策】
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災害対策は、企業としての危機管理が問われる部分であり、対策の有無が地域の安全を左右します。
具体的な対応内容については、消防庁が公開している『危険物施設の震災等対策ガイドライン』を参照しましょう。
地震による二次災害⑤:電気・ガス・水道の停止
地震発生時には、電気・ガス・水道といった、ライフラインが広範囲で寸断される可能性があります。
復旧には時間がかかることも多く、生活インフラの停止は、命に関わる事態を引き起こしかねません。
『地震によるライフライン被害の想定と対策』によると、東日本大震災では、以下のような深刻な影響が発生しました。
・上下水道:187市町村で160万戸以上が断水
・電気:460万件超が停電
・ガス:約40万戸が供給停止や被害を受けた
ライフラインの切断を避けることはできませんが、被害を最小限にとどめることはできます。
ライフライン切断に対する事前の備えと、発生時の対策は以下の通りです。
【事前の対策】
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【地震発生後の対応】
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地震による二次災害⑥:インターネット・電話の寸断
ライフラインと同様に、インターネットや電話の通信網も、地震の影響で寸断される可能性があります。
現代社会において通信手段は不可欠であり、寸断時には情報収集・安否確認・救援要請が、困難になる恐れがあります。
実際に東日本大震災では、東北・関東で13,000局以上の移動無線基地局が停止しました。また、震災直後は通常の約9倍の通話が集中し、大規模な通信障害が発生しています。
今後予測される首都直下地震においても、通信障害の復旧には、最大で2週間かかると想定されています。
【事前の対策】
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地震による二次災害⑦:車・鉄道・飛行機など交通網の寸断
大規模な地震が発生すると、道路や線路、空港などの交通インフラが損傷し、都市全体の移動が困難になる恐れがあります。
特に都市部では、その影響が甚大です。
東日本大震災では、高速道路15路線・国道172区間・県道540区間が、通行止めになりました。
加えて、鉄道では6路線の新幹線を含む、42社・177路線で運転が休止。この影響で、首都圏だけでも、約515万人が帰宅困難者となりました。
【事前の対策】
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地震による二次災害⑧:エコノミークラス症候群・感染症等
避難所での長期間の避難生活は、身体に大きな負担をかけます。その一つがエコノミークラス症候群です。
この症状は、長時間同じ姿勢を保ち続けることで血流が悪化し、血栓ができてしまう病気です。災害時の避難先で、水分不足や運動不足になることによって、引き起こされます。
エコノミークラス症候群の予防方法は、3つ挙げられます。
【エコノミークラス症候群の予防方法】
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特に避難所での生活では、水分補給と軽い運動が大切です。これらを意識して、避難生活を送るよう心がけましょう。
さらに避難所では、感染症や破傷風のリスクも高まります。特に、免疫力の低下や、ストレスによる体調不良が引き金となり、感染症が広がる可能性があるため注意が必要です。
【感染症対策】
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災害時に体調を管理することは、避難生活を乗り越える上で非常に重要です。少しでも異常を感じた際には早期の対応が求められます。
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過去の地震で発生した二次災害の被害例
過去に発生した大規模地震では、直接的な揺れによる被害だけでなく、二次災害による深刻な被害も多く報告されています。これらの二次災害は、地震の後に予測できない形で発生し、さらに多くの命や財産を奪いました。
ここでは、能登半島地震、熊本地震、阪神淡路大震災の三つの大規模災害を例に、実際に発生した二次災害とその影響を簡単に紹介します。
各地震における二次災害の具体例を紹介し、それぞれの教訓を見ていきます。
能登半島地震
2024年1月1日16時10分、石川県能登半島を震源とするマグニチュード7.6、最大震度7の大地震が発生しました。この地震により、死者260名、行方不明者3名、重軽傷者1,323名という甚大な人的被害が確認されています。建物の被害も深刻で、全壊した住宅は8,408棟にのぼりました。
また、地震に伴い多くの二次災害が発生し、地域の復旧・救助活動に大きな影響を与えました。
【能登半島で発生した主な二次災害】
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能登半島地震では直接的な揺れによる被害に加えて、ライフラインの停止や孤立、火災などの深刻な二次災害が数多く発生しました。大規模地震への備えには、こうした二次災害にも目を向けた対策が不可欠です。
熊本地震
2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震が発生しました。この地震では死者273名、重軽傷者2809名という大きな人的被害が確認されています。住宅の被害も深刻で、全壊した建物は8,667棟に及びました。
さらに、熊本地震では多数の二次災害が発生し、復旧活動や避難生活に大きな影響を及ぼしました。
【熊本地震で発生した主な二次災害】
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熊本地震では地震の揺れだけでなく、地震後の大雨により大きな被害が及びました。このような複合災害のリスクに備え、平時から対策を講じておくことが重要です。
阪神淡路大震災
1995年1月17日午前5時46分、淡路島北部を震源とするマグニチュード7.2、最大震度7の地震が発生しました。この地震は、戦後最大級の都市型地震として知られ、死者6,432名、重軽傷者43,792名という甚大な人的被害を引き起こしました。加えて、全壊した住宅は104,906棟にのぼり、広範囲に深刻な影響が及びました。
この地震でも多数の二次災害が発生し、生活インフラの停止や火災などが多くの被害をもたらしました。
【阪神淡路大震災で発生した主な二次災害】
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都市部での大規模地震が引き起こす、二次災害の深刻さを示す代表的な事例です。交通インフラやライフラインの被害、火災、避難生活の影響など、多くの教訓が現在の防災対策に活かされています。
南海トラフ地震の二次災害予測
南海トラフ地震は、海底のプレート境界「南海トラフ」で、将来的に発生が強く懸念されている超巨大地震です。政府の予測では、今後30年以内に80%の確率で発生すると予測されています。
東海地方が大きく被災するケースでは、以下のような深刻な二次災害が予測されています。
【南海トラフ地震の二次災害予測】
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この地震は、首都圏・中部・関西圏の広域が、同時に被災する可能性がある点で、極めて特殊です。都市部の中枢機能が同時に停止するリスクが高く、社会全体の機能停止も想定されています。
国や自治体は防災計画の強化を進めていますが、企業や個人レベルでの対策も急務です。想定を「現実のリスク」として受け止め、備えることが生死を分けることにつながります。
地震による二次災害への対策5つ
地震が発生すると、火災・停電・断水・通信障害など、さまざまな二次災害が連鎖的に起こる恐れがあります。
こうした被害を最小限に抑えるカギは、「発生前の備え」にあります。
実際、ほんの少しの準備が、自分や大切な人の命を守ることにつながります。
ここでは、誰でも始められる二次災害への基本対策を、5つご紹介します。
【地震による二次災害への対策5つ】
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ひとつづつ確認していきましょう。
①:家具の固定方法を工夫する
地震による二次災害を防ぐうえで、家具の固定は非常に重要なポイントです。
たとえば阪神淡路大震災では、室内でのけがの多くが「家具の転倒・落下」が原因でした。大きな家具が倒れると、避難経路をふさぐだけでなく、命に関わる重大な事故にもつながります。
家具の転倒を防ぐには、専用の「家具転倒防止器具」を使うことが効果的です。
【家具転倒防止器具の種類】
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効果の高い順に並べると、L型金具 > ベルト式 > ポール式 > マット式・ストッパー式となります。
賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合は、効果の弱い器具を複数組み合わせて使うことで、転倒防止の効果を高められます。
②:食料・飲料の備蓄をす
地震による二次災害対策の2つ目は、食料・飲料の備蓄です。
地震が発生すると、水道・電気・ガスなどのライフラインが停止し、数日間は日常生活が送れないことも珍しくありません。スーパーやコンビニも機能しなくなるため、事前に食べ物や飲み物を確保しておく必要があります。
【最低限備蓄すべき食料・飲料】
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上記は、最低限必要とされる「3日分」の目安です。ただし、近年の災害では復旧まで1週間以上かかるケースも多いため、可能であれば「7日分」の備蓄をしておくと安心です。
③:非常用持ち出し袋(防災バッグ)を準備する
二次災害への対策3つ目は、非常用持ち出し袋(防災バッグ)を準備することです。
地震はいつ・どこで起こるかわかりません。突然の揺れに見舞われたとき、「何を持ち出せばいいのか」と焦っても、冷静に行動するのは難しいものです。
だからこそ、必要なものをまとめた非常用持ち出し袋が、命を守るカギになります。
非常用持ち出し袋に入れておくべきアイテムは、以下の通りです。
【非常用持ち出し袋に入れておくべき主なもの】
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非常用持ち出し袋は、ホームセンターやドラッグストア、スーパー、大手通販サイトなどで、購入できます。
中身が詰まった状態で販売しているため、初心者の方にもおすすめです。
④:家族同士の安否確認手段を決めておく
二次災害への対策の4つ目は、家族同士の安否確認手段を決めておくことです。
地震が発生したとき、家族全員が同じ場所にいるとは限りません。
学校・職場・外出先など、バラバラの場所にいる場合でも、無事を確認できる手段を決めておくことが大切です。
【災害時の主な安否確認手段】
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特に小さなお子さまがいる家庭や、遠方で暮らす家族がいる方は、
「どの手段を使って、どこで連絡を取り合うか」を話し合うことが、家族の安心につながります。
⑤:避難場所・避難経路を確認する
二次災害への対策の5つ目は、避難場所・避難経路を確認することです。
地震が発生した直後は、周囲が混乱し、冷静な判断が難しくなることもあります。
そのようなときに備えて、事前に「どこへ逃げるか」「どうやって向かうか」を、確認しておくことが重要です。
【避難場所・避難経路を確認するポイント】
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実際に家族で避難経路を歩いて確認しておくと、いざというとき安心です
災害時は「知っているかどうか」「準備しているかどうか」が明暗を分けます。
まずは身近な避難所と経路から、確認してみましょう。
「保証がしっかりしていたから決めました。」 |
地震による二次災害は「備え」で命を守れる
地震はいつ・どこで起きるかわかりません。
そして、建物の倒壊だけでなく、停電・断水・火災・感染症などの“二次災害”によって、被害はさらに広がります。
しかし、こうした二次災害は、正しい知識と事前の備えによってリスクを大きく減らせます。
この記事で紹介した「5つの対策」は、どれも特別な道具や知識がなくても、すぐに始められることばかりです。
【地震の二次災害への対策5つ】
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まずは、「できることから一つずつ」。
今日から始める備えが、未来の大切な命を守る力になります。
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